ゴブリンを使おう!第5回:『Hybrid Rainbow』
2012年9月8日 TCG全般 コメント (4)最早ゴブリンを紹介しない今回の内容。
初心者向けという煽りはどこへ行ったのか……。
どうも。
お待たせしてすみません、6号です。
前回あんな引きをしたものの、なかなか内容がまとまらなくて時間がかかってしまいました。すみません。
今回も引き続きゴブリンを解説していきます。
以前までの内容はこちら
↓
第1回(基本パーツ編)
http://81405.diarynote.jp/201208210413351827/
第2回(ロード編)
http://81405.diarynote.jp/201208230358065540/
第3回(土地編)
http://81405.diarynote.jp/201208250338374241/
第4回(その他ゴブリン編)
http://81405.diarynote.jp/201208290157375819/
今回は上級者向けの内容になります。
具体的に言うと「ゴブリンを諦めない人向け」の内容になります。
ゴブリンにまだ触ったことのない人は豆知識くらいで見ていただきたいです。
さて、前回はゴブリンデッキが「ゴブリンでできること」を解説しました。
ゴブリンが如何に柔軟で多彩な能力を持った種族かを把握してもらえたかと思います。
ですがその中で、ゴブリンだけでは出来ないこともわかってきたのではないでしょうか。
今回はゴブリンが出来ないこと、つまり弱点を補う為にメインデッキからできることの例を幾つか紹介していきたいと思います。
・ゴブリンの弱点
ゴブリンには結構できないことが多いです。
手札破壊・確定除去・カウンター・エンチャント破壊・全除去etc……。
それによって発生する弱点をざっと箇条書きでまとめてみました。
ゴブリンのみのデッキ構築で対戦した場合の対処のしやすさで並べ、危険度を5段階で表しています。
危険度1:それほどの驚異はないが、定着すると負けやすい
危険度2:負ける危険はあるが、デッキ内のカードで十分対処可能
危険度3:かなり危険。デッキ内での対処手段がかなり限定される
危険度4:超危険。デッキ内の対処手段が非常に限定される
危険度5:デッキ内に対処手段無し。死 ぬ が よ い。
下に行くほどマズいってことになります。
①システムクリーチャー 危険度1
②墓地利用 危険度1
③飛行クリーチャー 危険度2
④全体除去 危険度2
⑤土地破壊 危険度3
⑥装備品 危険度3
⑦プロテクション 危険度4
⑧フィニッシャー 危険度4
⑨コンボ 危険度5
⑩エンチャント 危険度5
危険度4からはメインでは殆ど対処できないものばかりです。
危険度5に至っては、サイドボードにすらゴブリンではどうしようもないものばかりになります。
逆に云えば3くらいまではまだ捌けるものも多いです。
とはいえ、メインボードに積まれるとゴブリンだけでは厳しいのは事実。
そこで逆転の発想。
ゴブリン以外のカードを積めばいいのです。
・デッキ30枚までゴブリン理論
そもそもゴブリンデッキにゴブリンばっかり入ってる理由は《ゴブリンの首謀者》の解説で少し触れました。
《ゴブリンの首謀者》が上から4枚捲る能力のため、2枚以上のアドバンテージが取れるようにデッキの半分がゴブリンになっている訳ですね。
さて、ここでゴブリンのデッキの大体の内訳を見てみるとどのデッキも固定パーツで使っている「ゴブリンでないカード」が26~27枚前後あります。
土地+《霊気の薬瓶》ですね。
このデッキ構成に、先程の理論を持ち込むならば
「あと2~3枚はゴブリンじゃないカードを積める」
ことになります。
勿論メインに積むにしてもある程度の条件があります。
・メインでも最悪腐らないカード(クリーチャーやキャントリップなど)
・環境の7割前後のデッキに効果のあるカード(7割なら残り3割に腐っても許せる)
・ゴブリンとのシナジーのあるカード
などが該当します。
ゴブリンでないカードを使うことのメリットは多々あって、例えば
・ゴブリン以外のカードは予想しづらい為、奇襲性が高い
・ゴブリン限定の対策(疫病ェ……)を躱す
・無理ゲーを無くす
などが挙げられます。
《ゴブリンの首謀者》を使うメリットと比較して、魅力を感じるようであれば使ってみるのもありだと思います。
弱点を補う為にどんなカードをチョイスするのか、順々に解説していきましょう。
先程の危険度順にいきます!!
・弱点の補填と対処(メインデッキ版)
①システムクリーチャー 危険度1
対象デッキ:
・マーベリック
・石鍛冶デッキ
・エルフ
などのクリーチャーデッキ
ゴブリン内対処カード:
《宝石の手の焼却者》
《ゴブリンの名手》
《タール火》
等の除去
ここではシステムクリーチャーを「殴ってこない厄介なクリーチャー」として解説します。
システムクリーチャーの代表格と云えば《石鍛冶の神秘家》《渋面の溶岩使い》そして《ルーンの母》でしょう。
あとは各種マナクリーチャー、《ワイアウッドの共生虫》などが挙げられます。
これらのクリーチャーは総じてタフネスが低い為、ゴブリンのデッキ内の除去で十分対処が可能です。
ただ、システムクリーチャーの名の通り非常に厄介な能力も多いため、早いターンに着陸したカードでも時差なく倒したいものです。
《ルーンの母》などは特にそうですね。1体倒し損ねて2体目が出てこようものなら敗北は必死でしょう。《ゴブリンの名手》はまだか!!
対処するならこんなカード:
Grim Lavamancer / 渋面の溶岩使い (赤)
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
(赤),(T),あなたの墓地にあるカードを2枚、追放する:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。渋面の溶岩使いはそれに2点のダメージを与える。
1/1
対処したいカードは自分で使ってしまえ!!
ということで《渋面の溶岩使い》です。
ゴブリンが苦手にするだけあって、システムクリーチャー排除要員としては最も優秀なコストパフォーマンスを持っています。
ゴブリンは能動的に墓地に落とす手段に欠ける為、フェッチランドや《モグの戦争司令官》などの自殺できるクリーチャーで墓地を肥やす必要がありますが、危険なシステムを除去するだけならばそこそこの仕事をしてくれます。
弱点はそのままズバリ弾切れすることと、《汁婆》との相性が悪いこと。
《タール火》などの除去と併用するのが吉でしょう。
まあこのカードの最大の魅力は「先に展開して相手の動きを鈍らせる」ことなので、出て召喚酔いが溶けたところで殆ど仕事を終えています。
マーベリックや石鍛冶相手にどうでしょう?
②墓地利用 危険度1
対象デッキ:
・RUGデルバー
・チームアメリカ
・アグロローム
・ズー
などの《タルモゴイフ》《聖遺の騎士》デッキ
・ドレッジ
・リアニメイト
その他大勢
ゴブリン内対処カード:
なし
対処カードは明確に無いですが、応用の効く対策は多いのがこの項目。
例えばリアニには《棘鞭使い》が刺さりますし、ドレッジには《ゴブリンの名手》《スカークの炭鉱者》が刺さります。《浄土からの生命》からの《不毛の大地》には山を多めにすればそんなに辛くないです。
ただ、やはり《タルモゴイフ》や《敏捷なマングース》を対処するのは骨が折れますし、《罰する火》や《暗黒破》のような回収除去が面倒なのも確かです。
そこでこんなカード。
対処するならこんなカード:
Relic of Progenitus / 大祖始の遺産 (1)
アーティファクト
(T):プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の墓地にあるカード1枚を追放する。
(1),大祖始の遺産を追放する:すべての墓地にあるすべてのカードを追放する。カードを1枚引く。
腐る相手には即サイクリング。事故ったときも一安心。
一応環境の半分以上のデッキにはそこそこ刺さります。
このカードを使う上で注意したいのは2つ。
・《タルモゴイフ》や《聖遺の騎士》相手に火力を使う場合は、火力を解決してから起動する
→状況起因処理で確実に殺せます。
・タップ起動にスタックして生贄に捧げる
→状況起因処理で死んだ《タルモゴイフ》や《敏捷なマングース》もリムーブできるので墓地を肥さずに済みます。
環境的に黒を足す以外に《タルモゴイフ》を一番簡単に捌けるカードではあるので、サイドボードに大抵の場合入ってくるカードになります。
サイドボードのスロットを空ける意味でもメインに入れる価値は十分にあります。
アグロロームやリアニメイトもこれで五分!!……だといいなあ。
③飛行クリーチャー 危険度2
対象デッキ:
・RUGデルバー
・チームアメリカ
などのデルバーデッキ
ゴブリン内対処カード:
《宝石の手の焼却者》
《棘鞭使い》
等の除去
飛行と云えばやはり《秘密を掘り下げるもの》《ヴェンディリオン三人衆》の2枚でしょう。
ゴブリンには飛行がいない為、これらのカードに妨害を挟まれながら殴られるとあっという間にライフが0になってしまいます。
この2枚を採用するようなデッキは除去を多めにする傾向にあるため、《焼却者》が今いち効きづらいのも難点ですね。もっともタフネスは低いので《モグの戦争司令官》があれば簡単ですが。
《墓忍び》や《秘密を掘り下げるもの》であれば《棘鞭使い》でも一時的に対処はできますが、やはり根本的に解決してしまいたいものです。
対処するならこんなカード:
Pyrokinesis (4)(赤)(赤)
インスタント
あなたは、Pyrokinesisのマナ・コストを支払うのではなく、あなたの手札にある赤のカードを1枚、追放することを選んでもよい。
好きな数のクリーチャーを対象とする。Pyrokinesisはそれらに4点のダメージを、望むように割り振って与える。
アドを失うかわりにテンポをとれるナイス除去ですね。
ゴブリンは《首謀者》で手札は補充できるのであまりコストに困らないのも魅力です。
飛行クリーチャーは総じてタフネスが低いので、このカードでまとめて2体葬ることも少なくないです。
マーベリックにも刺さり、エルフとは相性差を逆転してくれる優秀なカードです。
本体に飛ばない為コンボデッキ相手には腐ることになってしまいますが、劇的に効果のあるデッキも多いので一考の余地はあるかと思います。
ゴブリン同型相手にも強いよ!!
④全体除去 危険度2
対象デッキ:
・ディードスティル
・アグロローム
その他各種サイドボード
ゴブリン内対処カード:
《Goblin Chirurgeon》
対ゴブリン用カードと云えばやはり《紅蓮地獄》《炎渦竜巻》《破滅的な行為》に代表される全体除去ですね。
横に並べるデッキの構成上、どうしても全体除去は刺さってしまいます。
《薬瓶》が退かされるとエンドに動けなくなってしまうので、除去された場合のリカバリーも難しくなります。
対処するならこんなカード:
Eldrazi Monument / エルドラージの碑 (5)
アーティファクト
あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+1の修整を受けるとともに飛行を持ち、破壊されない。
あなたのアップキープの開始時に、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。それができない場合、エルドラージの碑を生け贄に捧げる。
カッチカチやで!!
全体除去に限った話ではないですが、《終末》や《剣を鋤に》のような例外を除いてほとんどの除去が当たらなくなるため、対処カードとしてはかなり優秀な部類に入ります。
かなり重いのは難点ですが、そもそも全体除去を撃つ相手には消耗戦になるパターンが多いので手札に抱えておいてもあまり気になりません。
後述する「ヤバイ置物」の一部にも効果がある上、飛行付与によって盤面を一方的に制圧することができます。
維持コストも殴ってゲームを決められれば気になりませんし、もし仮にターンが返ってきてもゴブリンの展開力ならば殆ど気にならないんじゃないでしょうか。
地味に《ゴブリンの紅蓮術士》とスーパーシナジーを生み出したりします。
重さに見合った効果を見いだせるなら如何でしょうか?
ちなみに《終末》には圧敗します。
ゴブリンが《終末》をケアするには、《薬瓶》《魂の洞窟》などで盤面がある程度できている場合に限定されますが、《ゴブリンの女看守》を手札に残しておくと仮に食らっても《鏡割りのキキジキ》ですぐにリカバリーできます。
こっちの手段で対処したほうがいいですね。
⑤土地破壊 危険度3
対象デッキ:
・アグロローム
・白スタックス
ゴブリン内対処カード:
《霊気の薬瓶》
《ゴブリンの従僕》
ゴブリンは土地を伸ばすデッキというのは何回か説明したかと思います。
パワーカードで押し切る構成の為、重くならざるを得ないんですね。
ということで土地破壊には非常に弱いです。
アグロロームに《壊滅的な夢》や《不毛の大地》で根こそぎ土地を持って行かれたり、滅多に見ないですが白スタックスの《ハルマゲドン》や《煙突》でマナが煙もでない状態にされたりします。
さらに残念なことにゴブリンには土地を補充する能力がほぼ0です。
《霊気の薬瓶》や《ゴブリンの従僕》で一応土地がなくても戦うことはできますが、そもそも対処されやすいカードの為かなり苦戦を強いられるでしょう。
対処するならこんなカード:
Scroll Rack / 巻物棚 (2)
アーティファクト
(1),(T):あなたの手札のカードを望む枚数だけ裏向きのまま追放する。あなたのライブラリーのカードを上から同じ枚数だけあなたの手札に加える。その後、その追放されたカードを見てそれらをあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置く。
数少ないアーティファクトのドローソースですね。
同じドローソースでも《師範の占い独楽》では《女看守》《首謀者》を引いた時に《独楽》が混ざってしまいなんとも微妙な使い心地でした。
しかしこちらはシャッフルがアドバンテージに直結し、ゴブリンをデッキの上に戻せば《首謀者》は4枚連れてきてくれたりとなかなか楽しい動きをしてくれます。手札が面白いくらい増えるよ!!
土地事故対策としては若干重く感じますが、ドローを進めることによりサイドボードからの対策カードにアクセスしやすくなったりと柔軟性は上がります。
フェッチランドと《女看守》くらいしかシャッフルする手段はないので枚数をいじる必要がありますが、悪くないカードではあります。
⑥装備品 危険度3
対象デッキ:
・マーベリック
・石鍛冶デッキ
ゴブリン内対処カード:
《ブリキ通りの悪党》
《タクタクの潰し屋》
《ゴブリン修繕屋》
《梅澤の十手》!!《火と氷の剣》!!
メインの敗北要因でも特に多いのが装備品ですね。
《火と氷の剣》相手は割るくらいしか対処法はないですが、《十手》に対しては
・装備しているクリーチャーを焼く
・ブロックさせたクリーチャーを焼く
などである程度無効化させることができます。
コツとしては自分が死ぬギリギリまでダメージを通して《焼却者》の威力を下げないようにすることです。
とは言うものの、《十手》が付くクリーチャーが《ヴェンディリオン三人衆》だったりすると畳むのは時間の問題です。
そこでこんな対策。
対処するならこんなカード:
Tower of the Magistrate / 市長の塔
土地
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
(1),(T):クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時までプロテクション(アーティファクト)を得る。
土地ですがかなり有効な能力を持っています。
このカードの真骨頂は相手のクリーチャーに起動して装備品を外すこと。
《殴打頭蓋》も無効にできるため石鍛冶デッキは置くと大分嫌な表情をしてくれます。
《不毛の大地》で割られやすいのは欠点ですが、それならば何枚も置いて対処してやりましょう。
その弱点ゆえ使うならば結構枚数を割いてしまいますが、他のカードのスロットを圧迫しないメリットもあるのでメインデッキからの投入も十分ありうるでしょう。
MUDなどにも地味にガン刺さりします。
最近では《リシャーダの港》よりも採用したい局面は多いですね。
⑦プロテクション 危険度4
対象デッキ:
・リアニメイト
・RUGオーダー
・感染
ゴブリン内対処カード:
なし
ここからが本当の地獄だ……。
元々プロテクション(赤)を持っているクリーチャーは現行レガシー界には殆どいませんが、《ファイレクシアの十字軍》や《ブレンタンの炉の世話人》、さらには《茨の騎士ティヴァダール》《鋼の風のスフィンクス》《大祖始》など出たらまずいカードは多いです。
一番厄介なのはやはり「退かせないブロッカー」の存在で、量で上回るしか突破方法はないです。
しかしプロテクションクリーチャーは大抵お供に装備品がある為、こちらの負けが決まるのは大抵時間の問題です。
一応《鋼の風のスフィンクス》《大祖始》は青いので《ゴブリンの群集追い》で突破可能ですが、結局ライフを守る手段は無いためスピードで勝たなくてはなりません。
完璧な対策は少ないですが、小さめのプロテクションクリーチャーなら防げるナイスカードはあります。
対処するならこんなカード:
Restoration Angel / 修復の天使 (3)(白)
クリーチャー — 天使(Angel)
瞬速
飛行
修復の天使が戦場に出たとき、あなたがコントロールする天使(Angel)でないクリーチャー1体を対象とする。あなたはそれを追放し、その後そのカードをあなたのコントロール下で戦場に戻してもよい。
3/4
シングルシンボルは正義。洞窟指定天使で即バレしますが。
ゴブリン内にはCIP能力持ちが多く、《首謀者》や《棘鞭使い》などは使い回せれば勝ちがぐっと近づきます。
飛行であるのも大事で、《秘密を掘り下げるもの》や《遍歴の騎士、エルズペス》の飛行クリーチャーのブロックに回れるのは大きなメリットです。
《鏡割りのキキジキ》との無限トークンコンボもあるので、《ゴブリンの女看守》を出し入れできればもう勝ちが目前でしょう。
色が違うことのメリットは思った以上に大きいので、一度試してみては如何でしょうか?
⑧フィニッシャー 危険度4
対象デッキ:
・リアニメイト
・SnTデッキ
ゴブリン内対処カード:
《棘鞭使い》
《グリセルブランド》!《エムラクール》!《エリシュノーン》!《イオナ》!
ゴブリンは出されたら負けなフィニッシャーは非常に多いです。
そのくせ対処できるカードがカードパワーの低い《棘鞭使い》だけとあっては枚数が増やせず、《女看守》も引けずに負けるケースは日常茶飯事。
《女看守》が増量できれば万事解決なんですが4枚までしか入れられません。
そこで、カードパワーを落とさずに対処できるカードを探してみました。
対処するならこんなカード:
Phyrexian Metamorph / ファイレクシアの変形者 (3)(青/Φ)
アーティファクト クリーチャー — 多相の戦士(Shapeshifter)
((青/Φ)は(青)でも2点のライフでも支払うことができる。)
あなたは「ファイレクシアの変形者は、これが他のタイプに加えてアーティファクトであることを除き、戦場に出ているいずれかのクリーチャーかアーティファクトのコピーとして戦場に出る」ことを選んでもよい。
0/0
対伝説用必殺兵器ですね。一応《洞窟》で青マナも出せます。
このカードはとにかく腐りにくいのが特徴です。
相手のフィニッシャーだけでなく、《サリア》や《ガドック》のような低マナ域、さらには《梅澤の十手》まで幅広いカードに刺さります。
《薬瓶》から出せば殆ど警戒されないのもいいです。
コピーの解決に優先権を挟まないので、無警戒の《梅澤の十手》や《グリセルブランド》に刺さり、時には相手の《師範の占い独楽》になってくれたりもします。
《女看守》《首謀者》など是非コピーしたいクリーチャーも多いです。
コピー相手がいなくなることもありますが、殆どデメリットを感じないので同マナ域に余裕があれば採用してみてもいいでしょう。
ちなみに《実物提示教育》に合わせても同時に出てきた相手の伝説のクリーチャーはコピーできません。使う際は気をつけましょう。
⑨コンボ 危険度5
対象デッキ:
・ANT
・ベルチャー
・ハイタイド
・ハイブマインド
ゴブリン内対処カード:
《リシャーダの港》(気休め)
ここで言うコンボとは「置物に頼らず、手札と土地を軸にコンボするデッキ」のことです。
単除去の刺さるヘックスデプスやペインターはそもそも有利ですし、SnTとはまた少し対策が異なります。
基本的にカウンターを持たない相手には滅法強いデッキの為、カウンターはおろかハンデスすら持たないゴブリンでは手も足も出ません。
《呪文ショック》内蔵のゴブリンでもいたら話は別だったんですが……。
とは言え対策カードが全くないわけではありません。
対処するならこんなカード:
Thalia, Guardian of Thraben / スレイベンの守護者、サリア (1)(白)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
先制攻撃
クリーチャーでない呪文は、それを唱えるためのコストが(1)多くなる。
2/1
マーベリックで大活躍のサリアさんですね。
このカードをメインに入れるメリットは主に3つ。
・メインは置けば勝ちなマッチが多い
・薬瓶から出せるため、ケアされにくい
・サイドボードのスロットが空く
マーベリックなどと違って装備品を採用していない為、クリーチャーとしては単なる2/1のスペックを超えることはありませんがそれでも序盤のアタッカーとしては十分です。
《薬瓶》起動から先制持ちパワー2がブロックに行けるのもメリットです。
サイドボードに関してもゴブリンは枠が30枚欲しいくらいのデッキなので、枠が3枚も節約できるならば悪いチョイスではないです。
全体除去に弱い弱点を悪化させてしまいますが、メタ次第では大きなメリットを見いだせるでしょう。
余談ですがサイドインするならば《サリア》よりも《アメジストのとげ》の方が良いです。
除去よりもアーティファクト対策の方が多くサイドインされることは稀ですし、《紅蓮地獄》などで除去されてしまうのもマイナスです。
ちなみにベルチャーには祈る時間が増えるだけであんまり対策になりません。
どうしても勝ちたければ《精神壊しの罠》を積みましょう。あとカットの練習。
⑩エンチャント 危険度5
対象デッキ:
・エンチャントレス
・白スタックス
・ランドスティル
ゴブリン内対処カード:
なし
ゴブリンが最も相性が悪いデッキは何か?
その質問を考える上でやはり最大の候補になるのがエンチャントレスです。
《抑制の場》《Moat》《エレファント・グラス》《独房監禁》など危険なカードは両指で数え切れないくらいありますが、その全てがエンチャントの為とても対処しきれないのです。
エンチャントレス以外にもランドスティルには《謙虚》と言う置かれたら負けなエンチャントがありますし、黒いデッキなら《仕組まれた疫病》なんてメタカードもサイドにあります。
コンボはデッキ全体が機能しないと勝ちに繋がりませんが、エンチャントの多くは1枚でゲームに勝ててしまいます。
そのくせメインで捌けるカードがないわ、複数枚張られるわでゴブリンにとって非常に胃の痛い相手になります。
対策としては前述した《エルドラージの碑》や《梅澤の十手》などの装備品もありますが、今回は少々特殊なカードを紹介したいと思います。
対処するならこんなカード:
Chaos Warp / 混沌のねじれ (2)(赤)
インスタント
パーマネント1つを対象とする。それのオーナーはそれを自分のライブラリーに加えて切り直し、その後、自分のライブラリーの一番上のカードを公開する。それがパーマネント・カードである場合、そのプレイヤーはそれを戦場に出す。
運任せですが、効果範囲の広いインスタント除去になります。
相手のカードがデッキ内で最も驚異であるならば後腐れなく撃てますし、シャッフルしてもパーマネントがめくれるとは限らない為大体2分の1くらいで確定除去になってくれます。
最悪自分のカードにも撃てるのもメリットですね。
ゴブリンはほぼ100パーセントでパーマネントが捲れるので、いらないクリーチャーに撃ってみるのも面白いです。
《エルドラージの碑》だと重い上にソーサリータイミングでしか動けませんでしたが、このカードなら割と軽いマナで相手のターンにもアクションできます。
エンチャントレス相手には何かしら捲れてしまうと思いますが、無理ゲーを無くせるのも確かなので面白いカードだと思います。
相手のデカブツにもある程度対処できますしね。
長くなってしまいましたが解説はここまでです。
これまで紹介したカードはどれも完全に正解という訳ではありません。
極端に限定的なカードばかりでないとはいえ、本来刺さるはずの相手に腐ったり、相手の別方向の攻め方に蹂躙されることもあるでしょう。
そもそもデッキの構成上、数枚投入したくらいでは劇的に相性が向上しなかったりもします。
ゴブリンの必殺技《女看守》でアクセス!が使えない以上仕方のないことではありますが。
ただゴブリンの柔軟性を活かす上で、こういった選択肢もあるんだということを考えてもらえたら幸いです。
勿論、ゴブリンのみの構築にもメリットはあります。
タッチカラーの危険性を味わうこともないですし、《首謀者》でゴブリンじゃないものを捲ってがっかりする日々からも開放されます。
ですが、何も試さないでいるにはもったいないくらいゴブリンという種族は可能性に溢れています。
憎いあのデッキに勝てない……そんな時は「こんな選択肢もある」ということを覚えておいてください。
一応ある程度試したカードを列挙していますが、実際の使用感と違った、構築がわからない等があればデッキレシピなども挙げていきたいと思いますので是非コメントをお願いします。
参考に《修復の天使》採用型のレシピも置いてみます。
山×7
《乾燥大地》×2
《樹木茂る山麓》×2
《Plateau》×3
《Karakas》×1
《魂の洞窟》×4
《不毛の大地》×4
《霊気の薬瓶》×4
《ゴブリンの従僕》×4
《モグの戦争司令官》×3
《ゴブリンの群集追い》×1
《棘鞭使い》×2
《宝石の手の焼却者》×4
《ゴブリンの戦長》×3
《ゴブリンの酋長》×2
《ゴブリンの名手》×1
《ゴブリンの女看守》×4
《ゴブリンの首謀者》×3
《群衆の親分、クレンコ》×1
《タクタクの潰し屋》×1
《修復の天使》×2
《鏡割りのキキジキ》×2
《修復の天使》とのシナジー優先で組んでいるため、《群衆追い》の数は減っています。
コンボデッキよりもビートダウンに強い構成にし、長引かせて《天使》+《キキジキ》のコンボを積極的に狙っていくプランですね。
トップスピードでは劣る上、重いカード中心になる為序盤は弱いですが後半のカードパワーでの勝負はなかなか楽しいです。
さて、次回はサイドボード編。
なるべく多くのデッキに刺さるカードをピックアップしていきたいと思いますが、もし「こんなデッキに刺さるカードが知りたい」などあれば最大限探してみますので、コメントをお願いします。
随分と長い文章になってしまいましたが今日はここまでです。
読んでくださってありがとうございました!
また次回!!!
初心者向けという煽りはどこへ行ったのか……。
どうも。
お待たせしてすみません、6号です。
前回あんな引きをしたものの、なかなか内容がまとまらなくて時間がかかってしまいました。すみません。
今回も引き続きゴブリンを解説していきます。
以前までの内容はこちら
↓
第1回(基本パーツ編)
http://81405.diarynote.jp/201208210413351827/
第2回(ロード編)
http://81405.diarynote.jp/201208230358065540/
第3回(土地編)
http://81405.diarynote.jp/201208250338374241/
第4回(その他ゴブリン編)
http://81405.diarynote.jp/201208290157375819/
今回は上級者向けの内容になります。
具体的に言うと「ゴブリンを諦めない人向け」の内容になります。
ゴブリンにまだ触ったことのない人は豆知識くらいで見ていただきたいです。
さて、前回はゴブリンデッキが「ゴブリンでできること」を解説しました。
ゴブリンが如何に柔軟で多彩な能力を持った種族かを把握してもらえたかと思います。
ですがその中で、ゴブリンだけでは出来ないこともわかってきたのではないでしょうか。
今回はゴブリンが出来ないこと、つまり弱点を補う為にメインデッキからできることの例を幾つか紹介していきたいと思います。
・ゴブリンの弱点
ゴブリンには結構できないことが多いです。
手札破壊・確定除去・カウンター・エンチャント破壊・全除去etc……。
それによって発生する弱点をざっと箇条書きでまとめてみました。
ゴブリンのみのデッキ構築で対戦した場合の対処のしやすさで並べ、危険度を5段階で表しています。
危険度1:それほどの驚異はないが、定着すると負けやすい
危険度2:負ける危険はあるが、デッキ内のカードで十分対処可能
危険度3:かなり危険。デッキ内での対処手段がかなり限定される
危険度4:超危険。デッキ内の対処手段が非常に限定される
危険度5:デッキ内に対処手段無し。死 ぬ が よ い。
下に行くほどマズいってことになります。
①システムクリーチャー 危険度1
②墓地利用 危険度1
③飛行クリーチャー 危険度2
④全体除去 危険度2
⑤土地破壊 危険度3
⑥装備品 危険度3
⑦プロテクション 危険度4
⑧フィニッシャー 危険度4
⑨コンボ 危険度5
⑩エンチャント 危険度5
危険度4からはメインでは殆ど対処できないものばかりです。
危険度5に至っては、サイドボードにすらゴブリンではどうしようもないものばかりになります。
逆に云えば3くらいまではまだ捌けるものも多いです。
とはいえ、メインボードに積まれるとゴブリンだけでは厳しいのは事実。
そこで逆転の発想。
ゴブリン以外のカードを積めばいいのです。
・デッキ30枚までゴブリン理論
そもそもゴブリンデッキにゴブリンばっかり入ってる理由は《ゴブリンの首謀者》の解説で少し触れました。
《ゴブリンの首謀者》が上から4枚捲る能力のため、2枚以上のアドバンテージが取れるようにデッキの半分がゴブリンになっている訳ですね。
さて、ここでゴブリンのデッキの大体の内訳を見てみるとどのデッキも固定パーツで使っている「ゴブリンでないカード」が26~27枚前後あります。
土地+《霊気の薬瓶》ですね。
このデッキ構成に、先程の理論を持ち込むならば
「あと2~3枚はゴブリンじゃないカードを積める」
ことになります。
勿論メインに積むにしてもある程度の条件があります。
・メインでも最悪腐らないカード(クリーチャーやキャントリップなど)
・環境の7割前後のデッキに効果のあるカード(7割なら残り3割に腐っても許せる)
・ゴブリンとのシナジーのあるカード
などが該当します。
ゴブリンでないカードを使うことのメリットは多々あって、例えば
・ゴブリン以外のカードは予想しづらい為、奇襲性が高い
・ゴブリン限定の対策(疫病ェ……)を躱す
・無理ゲーを無くす
などが挙げられます。
《ゴブリンの首謀者》を使うメリットと比較して、魅力を感じるようであれば使ってみるのもありだと思います。
弱点を補う為にどんなカードをチョイスするのか、順々に解説していきましょう。
先程の危険度順にいきます!!
・弱点の補填と対処(メインデッキ版)
①システムクリーチャー 危険度1
対象デッキ:
・マーベリック
・石鍛冶デッキ
・エルフ
などのクリーチャーデッキ
ゴブリン内対処カード:
《宝石の手の焼却者》
《ゴブリンの名手》
《タール火》
等の除去
ここではシステムクリーチャーを「殴ってこない厄介なクリーチャー」として解説します。
システムクリーチャーの代表格と云えば《石鍛冶の神秘家》《渋面の溶岩使い》そして《ルーンの母》でしょう。
あとは各種マナクリーチャー、《ワイアウッドの共生虫》などが挙げられます。
これらのクリーチャーは総じてタフネスが低い為、ゴブリンのデッキ内の除去で十分対処が可能です。
ただ、システムクリーチャーの名の通り非常に厄介な能力も多いため、早いターンに着陸したカードでも時差なく倒したいものです。
《ルーンの母》などは特にそうですね。1体倒し損ねて2体目が出てこようものなら敗北は必死でしょう。《ゴブリンの名手》はまだか!!
対処するならこんなカード:
Grim Lavamancer / 渋面の溶岩使い (赤)
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
(赤),(T),あなたの墓地にあるカードを2枚、追放する:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。渋面の溶岩使いはそれに2点のダメージを与える。
1/1
対処したいカードは自分で使ってしまえ!!
ということで《渋面の溶岩使い》です。
ゴブリンが苦手にするだけあって、システムクリーチャー排除要員としては最も優秀なコストパフォーマンスを持っています。
ゴブリンは能動的に墓地に落とす手段に欠ける為、フェッチランドや《モグの戦争司令官》などの自殺できるクリーチャーで墓地を肥やす必要がありますが、危険なシステムを除去するだけならばそこそこの仕事をしてくれます。
弱点はそのままズバリ弾切れすることと、《汁婆》との相性が悪いこと。
《タール火》などの除去と併用するのが吉でしょう。
まあこのカードの最大の魅力は「先に展開して相手の動きを鈍らせる」ことなので、出て召喚酔いが溶けたところで殆ど仕事を終えています。
マーベリックや石鍛冶相手にどうでしょう?
②墓地利用 危険度1
対象デッキ:
・RUGデルバー
・チームアメリカ
・アグロローム
・ズー
などの《タルモゴイフ》《聖遺の騎士》デッキ
・ドレッジ
・リアニメイト
その他大勢
ゴブリン内対処カード:
なし
対処カードは明確に無いですが、応用の効く対策は多いのがこの項目。
例えばリアニには《棘鞭使い》が刺さりますし、ドレッジには《ゴブリンの名手》《スカークの炭鉱者》が刺さります。《浄土からの生命》からの《不毛の大地》には山を多めにすればそんなに辛くないです。
ただ、やはり《タルモゴイフ》や《敏捷なマングース》を対処するのは骨が折れますし、《罰する火》や《暗黒破》のような回収除去が面倒なのも確かです。
そこでこんなカード。
対処するならこんなカード:
Relic of Progenitus / 大祖始の遺産 (1)
アーティファクト
(T):プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の墓地にあるカード1枚を追放する。
(1),大祖始の遺産を追放する:すべての墓地にあるすべてのカードを追放する。カードを1枚引く。
腐る相手には即サイクリング。事故ったときも一安心。
一応環境の半分以上のデッキにはそこそこ刺さります。
このカードを使う上で注意したいのは2つ。
・《タルモゴイフ》や《聖遺の騎士》相手に火力を使う場合は、火力を解決してから起動する
→状況起因処理で確実に殺せます。
・タップ起動にスタックして生贄に捧げる
→状況起因処理で死んだ《タルモゴイフ》や《敏捷なマングース》もリムーブできるので墓地を肥さずに済みます。
環境的に黒を足す以外に《タルモゴイフ》を一番簡単に捌けるカードではあるので、サイドボードに大抵の場合入ってくるカードになります。
サイドボードのスロットを空ける意味でもメインに入れる価値は十分にあります。
アグロロームやリアニメイトもこれで五分!!……だといいなあ。
③飛行クリーチャー 危険度2
対象デッキ:
・RUGデルバー
・チームアメリカ
などのデルバーデッキ
ゴブリン内対処カード:
《宝石の手の焼却者》
《棘鞭使い》
等の除去
飛行と云えばやはり《秘密を掘り下げるもの》《ヴェンディリオン三人衆》の2枚でしょう。
ゴブリンには飛行がいない為、これらのカードに妨害を挟まれながら殴られるとあっという間にライフが0になってしまいます。
この2枚を採用するようなデッキは除去を多めにする傾向にあるため、《焼却者》が今いち効きづらいのも難点ですね。もっともタフネスは低いので《モグの戦争司令官》があれば簡単ですが。
《墓忍び》や《秘密を掘り下げるもの》であれば《棘鞭使い》でも一時的に対処はできますが、やはり根本的に解決してしまいたいものです。
対処するならこんなカード:
Pyrokinesis (4)(赤)(赤)
インスタント
あなたは、Pyrokinesisのマナ・コストを支払うのではなく、あなたの手札にある赤のカードを1枚、追放することを選んでもよい。
好きな数のクリーチャーを対象とする。Pyrokinesisはそれらに4点のダメージを、望むように割り振って与える。
アドを失うかわりにテンポをとれるナイス除去ですね。
ゴブリンは《首謀者》で手札は補充できるのであまりコストに困らないのも魅力です。
飛行クリーチャーは総じてタフネスが低いので、このカードでまとめて2体葬ることも少なくないです。
マーベリックにも刺さり、エルフとは相性差を逆転してくれる優秀なカードです。
本体に飛ばない為コンボデッキ相手には腐ることになってしまいますが、劇的に効果のあるデッキも多いので一考の余地はあるかと思います。
ゴブリン同型相手にも強いよ!!
④全体除去 危険度2
対象デッキ:
・ディードスティル
・アグロローム
その他各種サイドボード
ゴブリン内対処カード:
《Goblin Chirurgeon》
対ゴブリン用カードと云えばやはり《紅蓮地獄》《炎渦竜巻》《破滅的な行為》に代表される全体除去ですね。
横に並べるデッキの構成上、どうしても全体除去は刺さってしまいます。
《薬瓶》が退かされるとエンドに動けなくなってしまうので、除去された場合のリカバリーも難しくなります。
対処するならこんなカード:
Eldrazi Monument / エルドラージの碑 (5)
アーティファクト
あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+1の修整を受けるとともに飛行を持ち、破壊されない。
あなたのアップキープの開始時に、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。それができない場合、エルドラージの碑を生け贄に捧げる。
カッチカチやで!!
全体除去に限った話ではないですが、《終末》や《剣を鋤に》のような例外を除いてほとんどの除去が当たらなくなるため、対処カードとしてはかなり優秀な部類に入ります。
かなり重いのは難点ですが、そもそも全体除去を撃つ相手には消耗戦になるパターンが多いので手札に抱えておいてもあまり気になりません。
後述する「ヤバイ置物」の一部にも効果がある上、飛行付与によって盤面を一方的に制圧することができます。
維持コストも殴ってゲームを決められれば気になりませんし、もし仮にターンが返ってきてもゴブリンの展開力ならば殆ど気にならないんじゃないでしょうか。
地味に《ゴブリンの紅蓮術士》とスーパーシナジーを生み出したりします。
重さに見合った効果を見いだせるなら如何でしょうか?
ちなみに《終末》には圧敗します。
ゴブリンが《終末》をケアするには、《薬瓶》《魂の洞窟》などで盤面がある程度できている場合に限定されますが、《ゴブリンの女看守》を手札に残しておくと仮に食らっても《鏡割りのキキジキ》ですぐにリカバリーできます。
こっちの手段で対処したほうがいいですね。
⑤土地破壊 危険度3
対象デッキ:
・アグロローム
・白スタックス
ゴブリン内対処カード:
《霊気の薬瓶》
《ゴブリンの従僕》
ゴブリンは土地を伸ばすデッキというのは何回か説明したかと思います。
パワーカードで押し切る構成の為、重くならざるを得ないんですね。
ということで土地破壊には非常に弱いです。
アグロロームに《壊滅的な夢》や《不毛の大地》で根こそぎ土地を持って行かれたり、滅多に見ないですが白スタックスの《ハルマゲドン》や《煙突》でマナが煙もでない状態にされたりします。
さらに残念なことにゴブリンには土地を補充する能力がほぼ0です。
《霊気の薬瓶》や《ゴブリンの従僕》で一応土地がなくても戦うことはできますが、そもそも対処されやすいカードの為かなり苦戦を強いられるでしょう。
対処するならこんなカード:
Scroll Rack / 巻物棚 (2)
アーティファクト
(1),(T):あなたの手札のカードを望む枚数だけ裏向きのまま追放する。あなたのライブラリーのカードを上から同じ枚数だけあなたの手札に加える。その後、その追放されたカードを見てそれらをあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置く。
数少ないアーティファクトのドローソースですね。
同じドローソースでも《師範の占い独楽》では《女看守》《首謀者》を引いた時に《独楽》が混ざってしまいなんとも微妙な使い心地でした。
しかしこちらはシャッフルがアドバンテージに直結し、ゴブリンをデッキの上に戻せば《首謀者》は4枚連れてきてくれたりとなかなか楽しい動きをしてくれます。手札が面白いくらい増えるよ!!
土地事故対策としては若干重く感じますが、ドローを進めることによりサイドボードからの対策カードにアクセスしやすくなったりと柔軟性は上がります。
フェッチランドと《女看守》くらいしかシャッフルする手段はないので枚数をいじる必要がありますが、悪くないカードではあります。
⑥装備品 危険度3
対象デッキ:
・マーベリック
・石鍛冶デッキ
ゴブリン内対処カード:
《ブリキ通りの悪党》
《タクタクの潰し屋》
《ゴブリン修繕屋》
《梅澤の十手》!!《火と氷の剣》!!
メインの敗北要因でも特に多いのが装備品ですね。
《火と氷の剣》相手は割るくらいしか対処法はないですが、《十手》に対しては
・装備しているクリーチャーを焼く
・ブロックさせたクリーチャーを焼く
などである程度無効化させることができます。
コツとしては自分が死ぬギリギリまでダメージを通して《焼却者》の威力を下げないようにすることです。
とは言うものの、《十手》が付くクリーチャーが《ヴェンディリオン三人衆》だったりすると畳むのは時間の問題です。
そこでこんな対策。
対処するならこんなカード:
Tower of the Magistrate / 市長の塔
土地
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
(1),(T):クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時までプロテクション(アーティファクト)を得る。
土地ですがかなり有効な能力を持っています。
このカードの真骨頂は相手のクリーチャーに起動して装備品を外すこと。
《殴打頭蓋》も無効にできるため石鍛冶デッキは置くと大分嫌な表情をしてくれます。
《不毛の大地》で割られやすいのは欠点ですが、それならば何枚も置いて対処してやりましょう。
その弱点ゆえ使うならば結構枚数を割いてしまいますが、他のカードのスロットを圧迫しないメリットもあるのでメインデッキからの投入も十分ありうるでしょう。
MUDなどにも地味にガン刺さりします。
最近では《リシャーダの港》よりも採用したい局面は多いですね。
⑦プロテクション 危険度4
対象デッキ:
・リアニメイト
・RUGオーダー
・感染
ゴブリン内対処カード:
なし
ここからが本当の地獄だ……。
元々プロテクション(赤)を持っているクリーチャーは現行レガシー界には殆どいませんが、《ファイレクシアの十字軍》や《ブレンタンの炉の世話人》、さらには《茨の騎士ティヴァダール》《鋼の風のスフィンクス》《大祖始》など出たらまずいカードは多いです。
一番厄介なのはやはり「退かせないブロッカー」の存在で、量で上回るしか突破方法はないです。
しかしプロテクションクリーチャーは大抵お供に装備品がある為、こちらの負けが決まるのは大抵時間の問題です。
一応《鋼の風のスフィンクス》《大祖始》は青いので《ゴブリンの群集追い》で突破可能ですが、結局ライフを守る手段は無いためスピードで勝たなくてはなりません。
完璧な対策は少ないですが、小さめのプロテクションクリーチャーなら防げるナイスカードはあります。
対処するならこんなカード:
Restoration Angel / 修復の天使 (3)(白)
クリーチャー — 天使(Angel)
瞬速
飛行
修復の天使が戦場に出たとき、あなたがコントロールする天使(Angel)でないクリーチャー1体を対象とする。あなたはそれを追放し、その後そのカードをあなたのコントロール下で戦場に戻してもよい。
3/4
シングルシンボルは正義。洞窟指定天使で即バレしますが。
ゴブリン内にはCIP能力持ちが多く、《首謀者》や《棘鞭使い》などは使い回せれば勝ちがぐっと近づきます。
飛行であるのも大事で、《秘密を掘り下げるもの》や《遍歴の騎士、エルズペス》の飛行クリーチャーのブロックに回れるのは大きなメリットです。
《鏡割りのキキジキ》との無限トークンコンボもあるので、《ゴブリンの女看守》を出し入れできればもう勝ちが目前でしょう。
色が違うことのメリットは思った以上に大きいので、一度試してみては如何でしょうか?
⑧フィニッシャー 危険度4
対象デッキ:
・リアニメイト
・SnTデッキ
ゴブリン内対処カード:
《棘鞭使い》
《グリセルブランド》!《エムラクール》!《エリシュノーン》!《イオナ》!
ゴブリンは出されたら負けなフィニッシャーは非常に多いです。
そのくせ対処できるカードがカードパワーの低い《棘鞭使い》だけとあっては枚数が増やせず、《女看守》も引けずに負けるケースは日常茶飯事。
《女看守》が増量できれば万事解決なんですが4枚までしか入れられません。
そこで、カードパワーを落とさずに対処できるカードを探してみました。
対処するならこんなカード:
Phyrexian Metamorph / ファイレクシアの変形者 (3)(青/Φ)
アーティファクト クリーチャー — 多相の戦士(Shapeshifter)
((青/Φ)は(青)でも2点のライフでも支払うことができる。)
あなたは「ファイレクシアの変形者は、これが他のタイプに加えてアーティファクトであることを除き、戦場に出ているいずれかのクリーチャーかアーティファクトのコピーとして戦場に出る」ことを選んでもよい。
0/0
対伝説用必殺兵器ですね。一応《洞窟》で青マナも出せます。
このカードはとにかく腐りにくいのが特徴です。
相手のフィニッシャーだけでなく、《サリア》や《ガドック》のような低マナ域、さらには《梅澤の十手》まで幅広いカードに刺さります。
《薬瓶》から出せば殆ど警戒されないのもいいです。
コピーの解決に優先権を挟まないので、無警戒の《梅澤の十手》や《グリセルブランド》に刺さり、時には相手の《師範の占い独楽》になってくれたりもします。
《女看守》《首謀者》など是非コピーしたいクリーチャーも多いです。
コピー相手がいなくなることもありますが、殆どデメリットを感じないので同マナ域に余裕があれば採用してみてもいいでしょう。
ちなみに《実物提示教育》に合わせても同時に出てきた相手の伝説のクリーチャーはコピーできません。使う際は気をつけましょう。
⑨コンボ 危険度5
対象デッキ:
・ANT
・ベルチャー
・ハイタイド
・ハイブマインド
ゴブリン内対処カード:
《リシャーダの港》(気休め)
ここで言うコンボとは「置物に頼らず、手札と土地を軸にコンボするデッキ」のことです。
単除去の刺さるヘックスデプスやペインターはそもそも有利ですし、SnTとはまた少し対策が異なります。
基本的にカウンターを持たない相手には滅法強いデッキの為、カウンターはおろかハンデスすら持たないゴブリンでは手も足も出ません。
《呪文ショック》内蔵のゴブリンでもいたら話は別だったんですが……。
とは言え対策カードが全くないわけではありません。
対処するならこんなカード:
Thalia, Guardian of Thraben / スレイベンの守護者、サリア (1)(白)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
先制攻撃
クリーチャーでない呪文は、それを唱えるためのコストが(1)多くなる。
2/1
マーベリックで大活躍のサリアさんですね。
このカードをメインに入れるメリットは主に3つ。
・メインは置けば勝ちなマッチが多い
・薬瓶から出せるため、ケアされにくい
・サイドボードのスロットが空く
マーベリックなどと違って装備品を採用していない為、クリーチャーとしては単なる2/1のスペックを超えることはありませんがそれでも序盤のアタッカーとしては十分です。
《薬瓶》起動から先制持ちパワー2がブロックに行けるのもメリットです。
サイドボードに関してもゴブリンは枠が30枚欲しいくらいのデッキなので、枠が3枚も節約できるならば悪いチョイスではないです。
全体除去に弱い弱点を悪化させてしまいますが、メタ次第では大きなメリットを見いだせるでしょう。
余談ですがサイドインするならば《サリア》よりも《アメジストのとげ》の方が良いです。
除去よりもアーティファクト対策の方が多くサイドインされることは稀ですし、《紅蓮地獄》などで除去されてしまうのもマイナスです。
ちなみにベルチャーには祈る時間が増えるだけであんまり対策になりません。
どうしても勝ちたければ《精神壊しの罠》を積みましょう。あとカットの練習。
⑩エンチャント 危険度5
対象デッキ:
・エンチャントレス
・白スタックス
・ランドスティル
ゴブリン内対処カード:
なし
ゴブリンが最も相性が悪いデッキは何か?
その質問を考える上でやはり最大の候補になるのがエンチャントレスです。
《抑制の場》《Moat》《エレファント・グラス》《独房監禁》など危険なカードは両指で数え切れないくらいありますが、その全てがエンチャントの為とても対処しきれないのです。
エンチャントレス以外にもランドスティルには《謙虚》と言う置かれたら負けなエンチャントがありますし、黒いデッキなら《仕組まれた疫病》なんてメタカードもサイドにあります。
コンボはデッキ全体が機能しないと勝ちに繋がりませんが、エンチャントの多くは1枚でゲームに勝ててしまいます。
そのくせメインで捌けるカードがないわ、複数枚張られるわでゴブリンにとって非常に胃の痛い相手になります。
対策としては前述した《エルドラージの碑》や《梅澤の十手》などの装備品もありますが、今回は少々特殊なカードを紹介したいと思います。
対処するならこんなカード:
Chaos Warp / 混沌のねじれ (2)(赤)
インスタント
パーマネント1つを対象とする。それのオーナーはそれを自分のライブラリーに加えて切り直し、その後、自分のライブラリーの一番上のカードを公開する。それがパーマネント・カードである場合、そのプレイヤーはそれを戦場に出す。
運任せですが、効果範囲の広いインスタント除去になります。
相手のカードがデッキ内で最も驚異であるならば後腐れなく撃てますし、シャッフルしてもパーマネントがめくれるとは限らない為大体2分の1くらいで確定除去になってくれます。
最悪自分のカードにも撃てるのもメリットですね。
ゴブリンはほぼ100パーセントでパーマネントが捲れるので、いらないクリーチャーに撃ってみるのも面白いです。
《エルドラージの碑》だと重い上にソーサリータイミングでしか動けませんでしたが、このカードなら割と軽いマナで相手のターンにもアクションできます。
エンチャントレス相手には何かしら捲れてしまうと思いますが、無理ゲーを無くせるのも確かなので面白いカードだと思います。
相手のデカブツにもある程度対処できますしね。
長くなってしまいましたが解説はここまでです。
これまで紹介したカードはどれも完全に正解という訳ではありません。
極端に限定的なカードばかりでないとはいえ、本来刺さるはずの相手に腐ったり、相手の別方向の攻め方に蹂躙されることもあるでしょう。
そもそもデッキの構成上、数枚投入したくらいでは劇的に相性が向上しなかったりもします。
ゴブリンの必殺技《女看守》でアクセス!が使えない以上仕方のないことではありますが。
ただゴブリンの柔軟性を活かす上で、こういった選択肢もあるんだということを考えてもらえたら幸いです。
勿論、ゴブリンのみの構築にもメリットはあります。
タッチカラーの危険性を味わうこともないですし、《首謀者》でゴブリンじゃないものを捲ってがっかりする日々からも開放されます。
ですが、何も試さないでいるにはもったいないくらいゴブリンという種族は可能性に溢れています。
憎いあのデッキに勝てない……そんな時は「こんな選択肢もある」ということを覚えておいてください。
一応ある程度試したカードを列挙していますが、実際の使用感と違った、構築がわからない等があればデッキレシピなども挙げていきたいと思いますので是非コメントをお願いします。
参考に《修復の天使》採用型のレシピも置いてみます。
山×7
《乾燥大地》×2
《樹木茂る山麓》×2
《Plateau》×3
《Karakas》×1
《魂の洞窟》×4
《不毛の大地》×4
《霊気の薬瓶》×4
《ゴブリンの従僕》×4
《モグの戦争司令官》×3
《ゴブリンの群集追い》×1
《棘鞭使い》×2
《宝石の手の焼却者》×4
《ゴブリンの戦長》×3
《ゴブリンの酋長》×2
《ゴブリンの名手》×1
《ゴブリンの女看守》×4
《ゴブリンの首謀者》×3
《群衆の親分、クレンコ》×1
《タクタクの潰し屋》×1
《修復の天使》×2
《鏡割りのキキジキ》×2
《修復の天使》とのシナジー優先で組んでいるため、《群衆追い》の数は減っています。
コンボデッキよりもビートダウンに強い構成にし、長引かせて《天使》+《キキジキ》のコンボを積極的に狙っていくプランですね。
トップスピードでは劣る上、重いカード中心になる為序盤は弱いですが後半のカードパワーでの勝負はなかなか楽しいです。
さて、次回はサイドボード編。
なるべく多くのデッキに刺さるカードをピックアップしていきたいと思いますが、もし「こんなデッキに刺さるカードが知りたい」などあれば最大限探してみますので、コメントをお願いします。
随分と長い文章になってしまいましたが今日はここまでです。
読んでくださってありがとうございました!
また次回!!!
コメント
サイドボードならともかく。
ちなみに対策としては結構刺さる部類のカードですね。
ファイレクシアの変形者は気がつきませんでした。1-2枚挿すのにいいカードですね。
お時間があるときで構いませんので、リシャーダの港の枚数について解説いただければ幸いです。
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次回でちょっと書いてみますね。