どうも。
2日ぶりの6号です。




今回も引き続きゴブリンについて解説していこうと思います。

前回のはこちら↓
http://81405.diarynote.jp/201208210413351827/


ここから先はちょっとややこしい内容になります。
最後までお付き合いいただければ幸いです。



さて、前回の記事では「ゴブリンは基本的に守りに回ってプレイする」ことを書いたと思います。

そもそもなぜそんなに守りに回るのか、から説明していきましょう。




①ゴブリンって攻められないの?

ゴブリンは実に粘り強いデッキです。
デッキそのものがアドバンテージを得やすく息切れしにくい為、丁寧に1:1交換以上を繰り返していけば相手の攻め手を尽きさせることが可能です。
除去とブロッカーには事欠かないので、ライフを守ることもそれ程難しくありません。

ですが、攻めるとなると別です。
ゴブリンには回避能力がありません。
飛行だのプロテクションだのトランプルだの持っている子もいるには居ますが、単体で使おうとなると泣きたくなるようなスペックの奴らばっかりです。
加えて、タフネスも低いです。
基本タフネス1、良くて2くらいの為、ブロッカーがいたらアタックなんて夢のまた夢、相討ちが関の山です。
他のビートダウンのように、高サイズのクリーチャーでブロッカーを削る戦略が立たせづらいのです。


ではゴブリンの攻撃は本当に残念スペックなのでしょうか?


実はそんなことはありません。

ゴブリンには他のデッキには無い、爆発的な加速力があります。
それを支えているのが《ゴブリンの戦長》《ゴブリンの酋長》の2種類のロードです。


Goblin Warchief / ゴブリンの戦長 (1)(赤)(赤)
クリーチャー — ゴブリン(Goblin)
あなたが唱えるゴブリン(Goblin)呪文は、それを唱えるためのコストが(1)少なくなる。
あなたがコントロールするゴブリン・クリーチャーは速攻を持つ。
2/2


Goblin Chieftain / ゴブリンの酋長 (1)(赤)(赤)
クリーチャー — ゴブリン(Goblin)
速攻(このクリーチャーは、あなたのコントロール下になってすぐに攻撃したり(T)したりできる。)
あなたがコントロールする他のゴブリン(Goblin)・クリーチャーは+1/+1の修整を受けるとともに速攻を持つ。
2/2


同じコスト、同じサイズですが微妙に能力が違います。
速攻を与える効果に加えて《戦長》はコスト軽減を、《酋長》はサイズアップ能力をそれぞれ持っています。
簡単に言えば《戦長》はカードを大量に展開できるようにする「量」の能力を、《酋長》はカード1枚1枚の「質」を向上させることができます。
速攻も重要で、大量のクリーチャー展開から相手のライフを一気に削るだけでなく《名手》や《クレンコ》のような優秀な機動型能力を持つクリーチャーの性能を最大限発揮できるようにしています。

これら2枚は言わばデッキの起爆剤で、薬瓶から出そうものならば数の暴力であっという間に盤面を制圧してしまいます。
《クレンコ》等のフィニッシャー群と違って単体では仕事をしない為《女看守》や《首謀者》による手札の充実は不可欠ですが、これらのカードによって一気に勝利を決めることができるのもゴブリンの魅力でしょう。


加えて殴れるゴブリンの代名詞、多くの人がゴブリンと聞いて連想するであろうカード《ゴブリンの群衆追い》もいます。

Goblin Piledriver / ゴブリンの群衆追い (1)(赤)
クリーチャー — ゴブリン(Goblin) 戦士(Warrior)
プロテクション(青)
ゴブリンの群衆追いが攻撃するたび、それはターン終了時まで他の攻撃しているゴブリン(Goblin)1体につき+2/+0の修整を受ける。
1/2


他のロードが3マナで+1くらいしか修正がかからないのに対し、これは2マナで+2の打点アップをしています。
本体の回避能力はあまり目立たないプロテクション(青)のみですが、その分軽いのを活かして2体3体と並べばライフはあっという間に0になるでしょう。
このカードは特に《戦長》との相性が抜群で、《女看守》から《刺鞭使い》に繋げたり、《群衆追い》をおかわりしてまとめて殴ることもできます。

相手のライフを劇的に削ることができる為、ブロッカーの少ないデッキを相手にする時には是非とも欲しいカードですね。




②早さが足りない!!!

と、ここまで説明しておいて難ですが。

これらのカード、攻撃手段としては加速力はあるんですが、トップスピードが遅いんですよね。

他のデッキが1ターン目に虫出して次で変身だとか、3ターン目にグリセルブランドだとか、3ターン目でクリーチャーが10体以上並んでます!!とかやってるのに、ゴブリン側は悠長に3マナ2/2のクリーチャー出してターンエンド、じゃ話になりません。

《魂の洞窟》によってカウンター耐性はある程度付いたものの、単体除去が刺さってしまう点もマイナスです。

トップスピードを求めるデッキはデッキ内のマナ域を軽めにまとめるのが常ですが、ゴブリンはその性質上低マナのカードに寄せすぎるとカードパワーないしデッキパワーまで落ちてしまいます。
故に歪なマナカーブになることはある程度仕方がないことではあります。

こういったマナカーブの不具合を是正するために、《霊気の薬瓶》《ゴブリンの従僕》のマナブーストでのバックアップは是非とも欲しいのですが……。


そんなに毎度毎度引けるわけないですよね。




③ディフェンスに定評のある○○

さて。
引けなかった場合にはどうすればいいでしょうか?
答えは非常にシンプルですが「土地を並べる」です。

キーになるカードが軒並み3マナ以上の若干重めなカードの為、マナブーストが無い場合は素でキャストするのも結構苦労します。
なのでアクション数を保つ為にも土地を伸ばす必要があるわけです。
ですがゴブリンには土地を伸ばす能力が無い為、並ぶまでの間を時間稼ぎする必要が出てきます。

時間稼ぎの方法としては
・除去
・ブロッカー
・ランデス

などが挙げられます。
相手のデッキタイプにもよりますが、ゴブリンが取れる妨害手段はこんなところです。

一番シンプルなのは除去ですが、《焼却者》は機能するにはやっぱり時間がかかってしまいます。
そんな時に活躍するのがゴブリン最高のブロッカー、ミスター時間稼ぎこと《モグの戦争司令官》です。


Mogg War Marshal / モグの戦争司令官 (1)(赤)
クリーチャー — ゴブリン(Goblin) 戦士(Warrior)
エコー(1)(赤)(あなたのアップキープの開始時に、これがあなたの直前のアップキープの開始時よりも後にあなたのコントロールの下に入った場合、あなたがそのエコー・コストを支払わない限り、それを生け贄に捧げる。)
モグの戦争司令官が戦場に出るか死亡するかするたび、赤の1/1のゴブリン(Goblin)・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
1/1


このクリーチャー1体で3回ブロックすることが可能になります。
エコーもすぐにブロックに回れば気になりませんし、盤面が更地ならば支払ってアタッカーとしても活躍できます。
前回も書きましたが盤面に2体並ぶ性能ゆえ《焼却者》との相性も非常に良く、2ターン目これからの除去はかなり多く見かけるパターンです。
2マナのクリーチャーとしては非常に高い防御性能を持っており、単品で2ターンほどライフを守ることができます。

地上のクリーチャーはこのようなブロッカーでシャットアウトし、空中や装備品持ちは除去するのがゴブリン側の生存戦略になります。




④ゴブリンには2つのタイプがある

ここまで読んでもらうとなんとなく掴めてくるんじゃないかと思いますが、ゴブリンは常にある疑問を抱えています。

それは《群衆追い》って必要なの?ということ。

「攻めるしか能のない《群衆追い》よりも《戦争司令官》の方が優秀じゃないの?
守りにも攻めにも使えるし、除去されても最低限の仕事はするし。」

はい、おっしゃる通りです。

《群衆追い》は確かに弱い局面が多いです。
除去に弱いわブロッカーに弱いは周りに誰もいないとニートだわ。
ですが、優秀に見える《戦争司令官》がブロッカーとしてもアタッカーとしても弱いマッチは確実に存在するのです。


そう、コンボデッキです。

スニークショウに代表されるような除去がなく、打ち消しくらいしか妨害手段の無いコンボデッキは《群衆追い》にとって理想的な相手です。
というよりも、《群衆追い》くらいしか間に合わせる方法がないんですよね。
ゴブリンは《従僕》スタートならば3ターンキルも可能ですが、その最速パターンには《戦長》と《群衆追い》は欠かせないカードになります。
最速のパターンでなくとも、早さで追いつく為にはやはり複数枚《群衆追い》を引いてくる必要があるわけです。

この爆発的なスピードは《司令官》には真似できない要素です。

勿論《司令官》の守りの高さも大きな魅力です。

なので、周りにあるデッキ次第で《群衆追い》を軸にしたトップスピードを向上させたタイプか、《司令官》を軸にした柔軟な動きと守りを生かしたタイプにするかを選択する必要があります。
これら2種類のカードはお互いにシナジーを持っているため、両方とも積むことも多いです。

重要なのはどちらのカードを軸にしてどのようなカードを選択するのか、これに尽きると思います。


参考に、この間のSCGOで入賞した《群衆追い》型のゴブリンのレシピを置いておきましょう。


14 《山》
4 《魂の洞窟》
4 《不毛の大地》

4 《ゴブリンの従僕》
3 《ゴブリンの群衆追い》
2 《モグの戦争司令官》
2 《棘鞭使い》
4 《ゴブリンの女看守》
4 《宝石の手の焼却者》
1 《ゴブリンの名手》
4 《ゴブリンの戦長》
1 《ゴブリンの酋長》
4 《ゴブリンの首謀者》
1 《タクタクの潰し屋》
1 《群衆の親分、クレンコ》
1 《包囲攻撃の司令官》

2 《Pyrokinesis》
4 《霊気の薬瓶》

サイドボード
3 《フェアリーの忌み者》
1 《棘鞭使い》
1 《ゴブリンの王》
1 《猪牙のしもべ》
2 《赤霊破》
1 《紅蓮破》
1 《Pyrokinesis》
2 《大祖始の遺産》
3 《虚空の杯》

サイドボードについては後日書きます。
このレシピでは《戦長》を増量し《群衆追い》を多めに取ることによって積極的に殴りにいくプランを見据えています。
アメリカではRUGデルバーのような飛行クリーチャーが軸のデッキが多いのも《戦争指令官》を少なめにしている一因かもしれません。

また、テンポ良く《群衆追い》のアタックを通すためにブロッカー排除として役立つ《Pyrokinesis》をメインから採用しています。
マーベリックなどのアドバンテージが取れなくもない相手を見据えるならばいい選択です。


《群衆追い》と《戦争司令官》は性質の違うカードで、長所・短所も異なります。
これらのカードの性質を理解し、デッキの構築に繋げていきましょう。
この2枚の比較は……やるかもしれませんが現状未定です。
でもやっといた方がわかりやすいですよね?

一応大雑把に言うと《群衆追い》は《タルモゴイフ》《聖遺の騎士》《野生のナカティル》あたりが出てくるデッキに対しては仕事しません。
どの相手に対してどのようなカード選択をするか、そのあたりに関しては後日解説します。





と言うことで長くなりましたが今回のまとめ。


「2マナ域の選択でゴブリンの構成は変わる」

です。



え?《巣穴の扇動者》?













ありえない選択肢じゃないんですよね…。




さて長くなりましたが今回はここまでです。


次は時間稼ぎの一つ「ランデス」について、デッキの残りのカードを解説しながら進めていきたいと思います。


読んでいただいてありがとうございました!!

コメント

ちゃこ。
2012年8月23日4:45

読んでて久々にMTG(というかゴブリン)やりたくなってきました。
次回も楽しみにしています!

族長アマゾネス
2012年8月23日10:50

初めまして!最近ゴブリン始めた者です。
記事とても参考になりました(*^^*)リンクさせて頂きましたのでよろしくお願いします!

エスパー王子
2012年8月24日15:47

あ、札幌来る時にPSのジョジョ第3部の格ゲー貸してくれないか?

6号
2012年8月25日1:34

PSのソフトごと友人家に置き去りやねん……

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