皆さん。

『天丼』はご存知ですか?

食べる方では無くお笑い用語の方です。
まあ僕もあんまり詳しい訳ではないのですが曰く“同じネタを何度も使い回すこと“らしく、一発ギャグが売りの芸人なんかが良く使っている手法です。

もちろんこれは“雰囲気作り”と言う土台が最大限に生かせる漫才やコントに使用されるのが大半であり、更に使い過ぎがかえって場を白けさせてしまう危険がある為、普通何度も読み返せるような“ギャグ漫画”等には向いていない表現です。

“予測不可能な面白さ”が無くなってしまうのですから。

事実、おおよそのギャグ漫画には一度や二度の“天丼”はあっても、しつこく使いまわしたり、早いスパンで“天丼”を繰り返したりする事は無く、全体的に避ける傾向に有るのが殆どです。

それだけこの“天丼”と言う手法は技量を必要とするのです。

で、その点を踏まえてあえて言いましょう。

この『極道一直線』の最大の売りは“天丼”にあると。

何故其処まで天丼天丼言っているか、理由は簡単です。

何せ作者本人が『ネタもコマもリサイクル!!』と言い放ってしまうほどのコピー&ペーストだらけなんですから。

しっかり数えたわけでは無いですが読んだ感覚としては恐らく

全体の7割以上が

使い回しでした。


天丼とか言ってる次元じゃないよ……。

で、ここまで徹底的にコピー&ペーストを使っていながら、ギャグ漫画特有の不条理&予測不可能な展開が薄れてしまう事は無く、むしろ的確過ぎるコマ割りで昔のネタを引っ張り出してくるからこそ生きてくる雰囲気がこの漫画には宿っています。

更に殆ど使い回しである故に使いまわしていない部分の破壊力はそりゃもう物凄いもので……今だかつてこれ以上にページをめくる度に度肝を抜かれた作品は思い浮かびません。

あらすじはこの際保留(最早説明不要まである)して……あらゆる意味で斬新過ぎるこの漫画、キワモノ好きもそうで無い人も是非一読を。

しかし……見開きで3回もあんな台詞を叫んだ漫画としては日本漫画史に残る作品だと思いますよ。
本当よく連載できましたよ(コミック化されてない話がある時点で何かヤバい……)。

あ、一言忘れてた。


『げげんちょ!!』

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