紹介14 HELLSING 1 (1)
2007年3月9日 読書 コメント (2)
ISBN:4785918705 コミック 平野 耕太 少年画報社 1998/09 ¥520
『諸君 私はヘルシングが好きだ
諸君 私はヘルシングが好きだ
諸君 私はヘルシングが大好きだ』
……と言うことで今回はじろう号に言われた通り『ヘルシング』ですよ。
世紀末、日本におけるサブカルチャーの一大ムーブメントとなった『吸血鬼』、その流れの一因と言えるのがこの『ヘルシング』です。
まああらすじに関してはご存知の方も多いでしょうし、この作品がそれほど予備知識というものを必要としない導入のされ方をしているのであえて大雑把に語らせて頂きますが。
英国王立国教騎士団……通称『ヘルシング』と国教に仇成す邪教の存在……吸血鬼との戦いがこの物語のメインです。勿論、他にも絡んでくる要素は多々あるんですが細かいことは後に回して。
この作品を読んで、まず感じるのが“物語の速さ”です。
導入部分から殆ど息をつく間も無くイスカリオテ第13課、ミレニアムと次から次へと新たなバックボーンが登場し、それとともに目まぐるしく移り変わっていく舞台。そして現れる新たな敵、敵、敵。
正に短編映画のようなテンポで進むストーリーに一気に惹きこまれてしまいます。
更に、この圧倒的な作品世界を際立たせるのが作者のあくなき感覚の追求です。
感覚に訴えかけてくる、という表現が正にぴったりなのですが、読者がその描写でどう感じるか、と言うのを非常に的確に判断して表現しているのです。
おぞましいものは極限までおぞましく、
醜いものはこの上なく醜く、
強いものはどこまでも強く、
格好良いものは果てしなく恰好良く。
そのシーンごとに動機やテーゼが考えられているのか、読者に『見せる』、イメージを『受け取らせる』と言う非常に単純にして難しいことをこの作品はかなりの高水準で達成しているのです。
そして、それを成り立たせている一因こそが『吸血鬼』と言う舞台背景
にあります。
ヒトでは無いもの。
ヒトには無いもの。
本来有り得ない『吸血鬼』と言うモチーフと、漫画であるが為の『フィクション』、その二つの武器を最大限に生かした究極最強の“偶像”。
求めても手に入らないからこその、嫉妬にも似た憧れ。
そう言った感覚的なハードル、絶対に乗り越えられない壁を示しているからこそ、どうしようもなく惹かれてしまうのではないでしょうか。
もう一つ特筆すべきはその緩急の激しさです。
そりゃねーよってツッコミをいれてしまうくらい緩い所は緩く、グダっているところはグダってます。
緊張感のあるシーンと無いシーンとの差が『ハーメルンのバイオリン弾き』並で実に笑えます。
ヤンひでえ。
……まあグダった後にしっかり切り替えさせてくれるのがまたこの作品の小憎らしい所なんですが。
あらゆる点で雪崩のように存在感をアピ−ルしてくる本作。
感覚的に読むと言う想像し難いことをしっかり実感できる良作ですので、未読の方は是非。
最後に。
連載で読んでいる人。
一緒に頑張りましょう。
……しかし月4Pって……まあ人情紙風船のみよりはマシだけど。
『諸君 私はヘルシングが好きだ
諸君 私はヘルシングが好きだ
諸君 私はヘルシングが大好きだ』
……と言うことで今回はじろう号に言われた通り『ヘルシング』ですよ。
世紀末、日本におけるサブカルチャーの一大ムーブメントとなった『吸血鬼』、その流れの一因と言えるのがこの『ヘルシング』です。
まああらすじに関してはご存知の方も多いでしょうし、この作品がそれほど予備知識というものを必要としない導入のされ方をしているのであえて大雑把に語らせて頂きますが。
英国王立国教騎士団……通称『ヘルシング』と国教に仇成す邪教の存在……吸血鬼との戦いがこの物語のメインです。勿論、他にも絡んでくる要素は多々あるんですが細かいことは後に回して。
この作品を読んで、まず感じるのが“物語の速さ”です。
導入部分から殆ど息をつく間も無くイスカリオテ第13課、ミレニアムと次から次へと新たなバックボーンが登場し、それとともに目まぐるしく移り変わっていく舞台。そして現れる新たな敵、敵、敵。
正に短編映画のようなテンポで進むストーリーに一気に惹きこまれてしまいます。
更に、この圧倒的な作品世界を際立たせるのが作者のあくなき感覚の追求です。
感覚に訴えかけてくる、という表現が正にぴったりなのですが、読者がその描写でどう感じるか、と言うのを非常に的確に判断して表現しているのです。
おぞましいものは極限までおぞましく、
醜いものはこの上なく醜く、
強いものはどこまでも強く、
格好良いものは果てしなく恰好良く。
そのシーンごとに動機やテーゼが考えられているのか、読者に『見せる』、イメージを『受け取らせる』と言う非常に単純にして難しいことをこの作品はかなりの高水準で達成しているのです。
そして、それを成り立たせている一因こそが『吸血鬼』と言う舞台背景
にあります。
ヒトでは無いもの。
ヒトには無いもの。
本来有り得ない『吸血鬼』と言うモチーフと、漫画であるが為の『フィクション』、その二つの武器を最大限に生かした究極最強の“偶像”。
求めても手に入らないからこその、嫉妬にも似た憧れ。
そう言った感覚的なハードル、絶対に乗り越えられない壁を示しているからこそ、どうしようもなく惹かれてしまうのではないでしょうか。
もう一つ特筆すべきはその緩急の激しさです。
そりゃねーよってツッコミをいれてしまうくらい緩い所は緩く、グダっているところはグダってます。
緊張感のあるシーンと無いシーンとの差が『ハーメルンのバイオリン弾き』並で実に笑えます。
ヤンひでえ。
……まあグダった後にしっかり切り替えさせてくれるのがまたこの作品の小憎らしい所なんですが。
あらゆる点で雪崩のように存在感をアピ−ルしてくる本作。
感覚的に読むと言う想像し難いことをしっかり実感できる良作ですので、未読の方は是非。
最後に。
連載で読んでいる人。
一緒に頑張りましょう。
……しかし月4Pって……まあ人情紙風船のみよりはマシだけど。
コメント
3位、ヴァッシュ・ザ・スタンピードさーん。